2010/5/17

ソース嫌いだったおかみが、木桶で仕込んだソースにぞっこんです。

ソースを仕込んだ木桶
ソースを仕込んだ木桶
仕込みの様子
仕込みの様子

こめみそしょうゆアカデミーのおかみだから
ソースが嫌いだったわけでは、ありませんが
おかみが今まで出会ったソースは、
どうも食材や料理の味をそのまま生かしてくれるものが
なくて素材のもつ味わいをマイナスにいてしますことが多く、
あまり熱心に好みのソース探しもせず、
塩、みそ、しょうゆ、酢などの伝統的な
日本の調味料ですませていました。
よっておかみは、いつもフライにも「しょうゆ派」でした。
ところが、先日思わず、
「ソース屋さん、ごめんなさい。私の認識不足でした。」と
お詫びをしたくなるようなウスターソースに出会いました。

気になったらすぐその生産者さんにお会いしたくなるおかみは、
早速、静岡県浜松市のトリイソースさんを訪問しました。

住宅街にとけこんでいるトリイソースの工場
住宅街にとけこんでいるトリイソースの工場

丁寧にご対応くださったのは、
トリイソース・鳥居食品の鳥居社長です。
(先月からすでに2度も見学やお話を伺いに通っているのです。
トリイソースの皆様、お仕事のお邪魔をしてすみません。)

見学者にわかりやすく説明してくださる鳥居社長
見学者にわかりやすく説明してくださる鳥居社長

トリイソースさんは、今年で創業86年の老舗のソース屋さんです。
今も丁寧に木桶でウスターソースを仕込んでみえます。

日本が開国して西洋文化がどんどん生活にはいり、
それにともなって、食文化も西洋化されました。
一般家庭の食卓に「ウスターソース」が登場したのも
そのころからです。
日本の古来からの伝統的な調味料は、
みそ、しょうゆ、酢、みりん、酒などは、
基本的に「こめ」から作られていますが
ウスターソースは、「野菜の煮汁で作る調味料」として
発展しました。温暖な気候で野菜の収穫が豊富な
中部地方に大手老舗のソース屋さんが多いのもの納得。
さらに、ソースには、「こめ」から作られた酢が
味の決め手になっているのですから、醸造文化が集積した
中部で、野菜を生かした西洋の調味料・ソース作りは、
当時画期的な取り組みだったのでしょうね。

トリイソースさんは、以前は、地元のお酢屋さんから
酢を仕入れて、ソースを仕込んでみえたそうですが、
そのお酢屋さんが廃業されるということで30年ほど前から
自社で酢も仕込み、ソースを仕込むというスタイルにされたそうです。
どの地域にも当たり前にあった、しょうゆ屋、酢屋、味噌屋がなくなって
しまった現代に街にその伝統的な技を残し、暮らしに根付いた食文化を
つなげてみえる、トリイソースさんは、とても素適です。
もともと地元企業の従業員食堂で愛用されたり、学校給食でも愛用され
子供のうちからなじみ深い地元の味わいを大切に残す努力をされています。
街のお祭りや学校祭の屋台などの香りといえば、香ばしいトリイソースの
香りだったのでしょうね。楽しい記憶とともに伝えられる
地元の味の代表格です。

また、最近では、静岡産の完熟した果物などを活用した
地元の酢「地酢」なども仕込まれています。

あいにくトリイソースさんは、関東圏では、販売されていませんが
気になる方は、是非HPからお申し込みください。

しばらく、トリイソースさんのソースを隠し味に利用したり、
サラダのドレッシングのベースにしたりあれこれと
いろんな料理で楽しんでみます。

by おかみ(堀田 正子)

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