2010/5/7

往ったり来たりの長い冬から一気に初夏へ。

筍前線も上昇中です。

おかみは、4月の中旬からあちこちへ
往ったり来たりの地方暮らしでした。
青森の十和田、五所川原に始まり、長野の佐久、
新潟の越後湯沢、胎内、村上とそして浜松、名古屋へ。
4月に寒気の戻った東京からそのまま北の方へ
出かけている日数が多かったので
なんだか、春を楽しむ間もなく、
ここ数日は、都会で一気に夏仕様。

今年は、春ならではの香りや苦味を楽しみたいと思っても
訪ねた地で去年の同じ時期に味わえた山菜や料理が
まだまだだったりということも多くあり、
今年は、駄目かなとあきらめていたら、、、、、
4月末に訪ねた、こみしょうでもおでかけしている
新潟・村上市の山奥の高根集落で
ようやく、ふきのとう、こごみ、かくまに出会え
「春に出会えた!!」とついつい、直売所で
歓声をあげてしまいました。

久しぶりに訪ねた高根集落
棚田の畦道を歩きながら「ふきのとう」を採っていると
おいしそうな「つくし」がたくさん畦道に残っているのです。
「ふきのとう」は、食べごろを誰かが採った気配があるのに
「つくし」は、そのままの様子。

私は、頭のしっかりした「つくし」がうれしくて、
ついつい夢中に採っていたら、、、、、、、
いつも高根で御世話になっている信之さんから
「つくしをどうするの?」という質問が。。。。。
私は、なんの疑問もなく、
「こんなに美味しそうなつくしは、卵とじとかつくしご飯がおすすめだよね。」と即座に答えると、彼の表情は、?????
その表情にも気づかず、さらに
「こんなに姿がきれいならば、蜜で煮て、砂糖漬けにして
お抹茶のお菓子にもおすすめ」なんておかみは、興奮気味。

その様子を横目に、「高根では、「つくし」は、食べないよ。」とひとこと。
今まで何度も高根の春は経験していますが
そういわれると食卓に「つくし」が出ることはなかったです。
濃尾平野の木曽川沿いで育ったおかみにとって
土手の「つくし」は、まさに春の香りを届けてくれる
大切な使者だったのでこの会話のずれに驚愕。

今回一緒に高根を訪れていた、山形生まれ、新潟育ちで
こしひかりの米粉を使ったパスタを開発されている
小国製麺
の専務・杉村友喜美さんも
「つくし」を食べる愛知県人にびっくりの様子。
(前回のブログでご紹介した久松農園さんの
野菜ペーストを練りこんだ米粉生パスタの製造は、
小国製麺様の前面協力で実現しました。)

とはいえ、彼女は、現在はしっかり愛知県人のお嫁さんですから、、、、、。
来年春からは、「つくし」を一緒に楽しみましょうね。
新潟からの帰り道の私のかばんは、
友喜美さんのお父様からいただいた掘りたての筍に
ふきのとう、こごみ、かくま、つくしと新潟の春の香りでいっぱいに。

「つくし」の「はかま」をとっているとあくで爪が汚くなるのですが
子供のころは、それを喜んで祖母たちと楽しんだものです。
この手間とひとときが春の訪れと美味しさを
きちんと届けてくれていた気がします。
おかみも帰宅してから、それらを美味しく楽しむために
あれこれ料理をしてようやく出会えた今年の春を堪能しています。
もちろん、山や野の幸を美味しく長く楽しむために昔ながらの
下処理をきちんとして今日も食卓で都会では、
名残となる春を楽しんでいます。

by おかみ(堀田正子)

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