2009/7/2

ロマンチックな七夕もやはり食い気が先に・・・・・。

五節句のひとつ、七月七日の七夕に何を食べていたかなあと記憶をたどり、おかみが思い出したのは、「そうめん」でした。
とはいえ、これは、我が家の食卓の記憶ではなく、おかみが会席料理屋に勤めていたときに、板長が7月には「そうめん」を必ず献立に使っていたという記憶です。

七夕にそうめんを食べる由来をふたつご紹介。
ひとつは、中国の古い言い伝えで、「高辛子」という悪童がいて、七月七日に死んで小鬼となって疫病を流行らせた。
この小鬼が生前に素麺を好んで食べたというので、七夕には素麺を供えて祀り、 一般の人々も、この日素麺を食べれば疫病にかかることを免れると言われ食べる習慣になったというもの。

また、もうひとつは、日本の東北のある地方の伝説で、夫が旅に出た留守に、村の若者達から言い寄られるのを辛く思った妻が、 我が身を守るため川に身を投げて亡くなった。 帰ってきた夫は妻の死を知り、悲観のあまり死んだ愛する妻の肉と筋を食べたそうです。
この夫婦が後に女夫星(七夕星)となり、七夕に素麺を食べるのは、その妻の魂を供養するものだといわれるようになりました。

みなさんのおうちでは、七夕に何を召上ってみえますか?
本来、五節句はいずれも農耕儀礼と密接な関わりがあり、地方によって少しずつ異なることもありますが必ずお酒やお供えに決まりごとがいろいろあります。
そのなかで七夕だけが、あまりないようなのです。
七夕は、「ほおずきの節句」ともいわれ、ほおずきの根を煎じて飲む風習があるそうですが、これは、秋に向かい繁忙期を迎える農家にとっては、深い意味のあることだったようです。
(詳しくは、樋口清之先生の「食べる日本史」でどうぞ。)
年に一度愛する人が天の川で出逢うというロマンチックな七夕とは異なる、先人たちの「生きるための知恵」が隠されていたようです。

byおかみ

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