2008/8/2

フランスと江戸、18世紀から21世紀を行ったりきたり

久しぶりのブログの更新です。
こみしょうのHPのシステムを変更してからブログの更新方法などが変わったこともあり、ついついキーボードに向かうことなく7月が終わってしまいました。
7月は、日本中どこもかしこも酷暑のうえに異常気象や災害のニュースが連日流れ、自然の力のすごさを実感した一ヶ月でしたね。
8月は、少しは穏やかに過ごせるといいなあと願っています。

今日は、上野の東京国立博物館へどうしても見たかった展覧会へ行ってきました。しかもふたつの特別展。
ひとつは、オルセー美術館コレクション特別展
「フランスが夢見た日本-陶器に写した北斎、広重」

もうひとつは、「対決 巨匠たちの日本美術」

フランスが夢見た日本
フランスが夢見た日本
対決 巨匠たちの日本美術
対決 巨匠たちの日本美術

18世紀から19世紀の日本とフランスを時間旅行したような気持ちです。
いずれの展示も見ごたえ十分。というより、十分すぎて私の記憶からは、すでにいくつかあふれてしまったような・・・。

陶器展は、19世紀にフランスのセーヴル国立製陶所で北斎や広重の版画から抜き出したモチーフをデザインした皿やカップ&ソーサーなどがモチーフの原画である版画と比較しながら展示されていました。
おもしろいのは、転写や模写をしているのに北斎の鳥がセーヴルの皿の絵になっていると西洋の鳥のような表情になっているのです。
特に魚は、なんだかバランスが悪くなってしまったものが多かったように思いました。同じものを観ても文化、生活習慣の違いでこんなにとらえ方が変わるのかと、おもしろかったです。
変わるといっても、転写なのでほんの少し輪郭の線が太くなるとか線が短いとかという程度なのでしょうが、絵の表情が変わるから不思議です。
食いしん坊の私は、芸術を鑑賞しながらも、
やはり「この時代、この皿にどんな料理を盛って食べていたのかなあ?」
とか、「どんな暮らしぶりの方がどんな人と食事をするときにこの食器の組み合わせで食事したのかなあ」とやはり、その器を使って食べることばかりに関心がいってしまいました。こちらの展覧会は実は、明日までです。
興味のある方、お見逃しなく。

もうひとつの展覧会「対決 巨匠たちの日本美術」は、
まさに展示会場のなかで作品が対決しているエネルギーを感じるすごい内容でした。
「くらべてみるとみえてくる」とポスターにもキャッチコピーが書いてあるのですが「くらべようもないし、ますますそれぞれを知りたくなる」という感じです。私は、みえなくなってしまいました。
こんな内容をいとも簡単にこれほど、並べていいのかという贅沢な展覧会です。
私の今日のいちおしは、
「長次郎・光悦の赤楽茶碗」です。「赤楽の赤色」が好きになりました。
特に「長次郎の赤楽茶碗・銘無一物」は、暗い会場で一番輝いていました。
いずれの赤楽茶碗も今まで私が知っている赤楽とはまったく別の赤でした。
こんな「赤楽」の茶碗でお茶を一服いただいたらどんなに幸せかしら。。。。。
また、食べることになってしまいました。
そのほかもとても、充実した展示内容なので是非、じっくりどうぞ。
こちらは、8月17日までです。

byおかみ

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