2008/6/26

設立趣意書

私たちは今、風土や季節に根ざした食べものや生活文化が忘れられようとしている現実の中で暮らしています。長い年月を経て、私たちの先人が築いてきたかけがえのない食文化。
一度消滅してしまうと、二度と取り戻すことができないことを歴史が証明しています。

 日本の食卓の風景を取り戻したい・・・それを思い出し、伝え、もう一度育みたい。
 日本食の根幹にあるものの本質を知り、本物に触れたい。
 日本の風土を振り返り、旬の食材を意識して求める「気づき」の場や機会を、
 つくる人と食べる人で共創したい。

こうした想いから、「こめみそしょうゆアカデミー」を立ち上げることにしました。

 「米」や代表的な醸造調味料「みそ」と「しょうゆ」が、「人」とどんな
 関わりを持つことによって日本の食文化が育まれてきたのでしょうか。

日本食文化の独自な食方法として、「だしで汁を仕立て、すべての素材を活かし、食べ心地のよいものにし、味わいを生み出す」ということがあります。
献立にたとえるならば「ご飯と味噌汁(おつゆ)、煮物」のある風景でしょうか。
その味わいのある食卓には、人々が生きていく喜びの原点・幸せの風景があったような気がします。そのためには良い素材と約束事とふさわしい食べ方を伝えることが重要です。
風土や季節に沿った素材を組み合わせ、手法にかなった調味料を使えば、食材は料理として一つになり、生き生きと自然の味が導き出されます。

私たちが日々のいのちをつなぐ「食」ときちんと向き合い、学びあうことを大切にしながら、
それを次世代に手渡していくことが 本アカデミーの使命だと考えています。

そして、人の「いのち」を確かにまもり、育てうる食材づくりには、必ず信頼できる人がそこにいることを学び、伝えたいと思います。こめみそしょうゆアカデミーに参加してくださるみなさんと共に「生きる」と「食べる」をつなぎ、その輪を広げていきたい。

何をどう食べてゆくか、幸せな食卓の風景を一緒に探してみませんか?

ホームへ先頭へ前へ戻る